プーチンとトランプが話し合った”未来”

かえるくんとぺんしるくんの会話

2025年7月3日、プーチンとトランプが電話会談を行った。
ウクライナ戦争のことかと思いきや、それだけではなかった。

アメリカ独立記念日を祝い、映画の話に花を咲かせ、さらには中東とイランの情勢についても「詳細な協議があった」とされている。
しかしその“対話”の中に、当のイランの声はなかった。
まるで「君の将来を話し合っておいたから」と、本人不在のまま決められていく構図。

誰が、誰の未来を決めるのか?
そんな問いが、いつものカエルくんとペンシルくんの雑談から浮かび上がる。


かえるくんとぺんしるくんの対話

<strong>ペンシルくん</strong>
ペンシルくん

なあ、またプーチンとトランプが電話したらしいで

<strong>カエルくん</strong>
カエルくん

へえ、どうせ“建設的な意見交換があった”とか、“ウクライナ戦争”について言うだけやろ?

<strong>ペンシルくん</strong>
ペンシルくん

それが、今回はいろいろ喋ってるっぽい
アメリカの独立記念日を祝ったり、映画の話までしとるらしい……ほら、これ見てみ

<strong>カエルくん</strong>
カエルくん

いや、そこいる?なんで“伝統的価値観を描いた映画を交換しよう”とか言い出すねん
どんだけ自意識過剰やねん(※1)
核の話とか、中東の危機とか、山積みやろ?

<strong>ペンシルくん</strong>
ペンシルくん

せやけど、その中東とイランの話も“詳細に協議した”ってクレムリン公式にちゃんと書いてあるで(※2)(※3)
ロシア側は“政治的・外交的に解決すべき”って強調してるらしい

<strong>カエルくん</strong>
カエルくん

で、イラン本人はどこ行ったん?

<strong>ペンシルくん</strong>
ペンシルくん

え?

<strong>カエルくん</strong>
カエルくん

いや、当のイランはその会話に入ってへんのやろ?
アメリカとロシアで勝手に“イランどうするか”って決めとる感じやろ?
それってどうなん?めちゃくちゃ他人事のノリやん

<strong>ペンシルくん</strong>
ペンシルくん

まあ、国際政治ってそういうもんやろな
関係国同士が周辺から固めてくっていう…

<strong>カエルくん</strong>
カエルくん

でも、これって言うたら、“勝手にお前の人生について話しといたから”って言われてるようなもんやろ?

<strong>ペンシルくん</strong>
ペンシルくん

それは、たしかにイヤやな

<strong>カエルくん</strong>
カエルくん

せやろ?
ママとパパに“お前の将来、ちゃんと考えたったで”って言われてもじゃかましいわってなるのに、赤の他人に言われるなんて、大きなお世話もええとこやん


参考
クレムリン公式:
Commentary by Aide to the President of Russia Yuri Ushakov following the telephone conversation between Vladimir Putin and President of the United States Donald Trump
URL:http://en.kremlin.ru/events/president/news/77354


補足:この会話の“裏にある話”

今回の電話会談では、中東やイランについて詳細な協議があったとされています。
でも、イラン本人はその場にいません。
つまりこれは、「イランの未来が、イラン抜きで話し合われている」ということ。

トランプとプーチンの“管理意図”

  • トランプの特徴
    「圧力」と「ディール志向」
    今回の会話では「イランとの対話」に見せかけて、「国際的な監視体制に戻す」=制御下に置きたいという意図がにじむ。
    「敵を潰すより、交渉の場に引っ張り出して、ルールをこっちで決める」タイプ。
  • プーチンの特徴
    ロシアにとってイランは「中東でアメリカと張り合うカード」。
    でも今は、ウクライナ戦争で疲弊しており、中東にエネルギーは注げない。
    だから「イラン問題を政治的・外交的に解決すべき」という建前で、管理役を演じることで国際的立場を維持しようとしている節もある。
    イランは“価値ある駒”だが、自国の消耗を避けるためにもコントロール下に置きたい対象。

イランは今後どうなる?

次のような道筋が予測される。

展開意味
国際監視体制への復帰表面上は「対話」、でも本質は「囲い込み」
価値観・文化圏の締め付け「何をするか」だけでなく「どうあるべきか」まで規定される

最後に

「話し合いに“いない者”の未来は、誰が決めるのか?」
大国の二人の指導者の会話に、少し嫌悪感を抱いてしまうのは、私たち自身のことでもあるからかもしれません。


会話補足

※1.伝統的価値観を描いた映画

プーチン大統領がトランプ氏との会話で「伝統的価値観をテーマにした映画の交換」を提案したという話が出てきます。これは一見ユルい話題に思えますが、実は文化・思想の“価値観輸出”としての戦略でもあります。

トランプ前大統領は過去にも、「リベラルなハリウッド文化に対抗して、保守的な価値観を守るべきだ」と主張しており、家族・宗教・国民性を前面に出した映画やTV番組を支持する傾向がありました。

たとえば:

  • 『Sound of Freedom』(人身売買問題を扱った保守系映画)を高く評価
  • 「左派メディアに対抗する新たなメディア空間が必要」と繰り返し発言

つまりこの“映画の交換”提案も、単なる趣味トークではなく、「価値観の外交」として意味を持っている可能性があることを示唆しています。

※2.クレムリンについて

「クレムリン」は、モスクワにある歴史的な城塞であり、現在ではロシア政府(特に大統領府)を指す言葉として使われています。
つまり「クレムリン公式」とは、ロシア政府の公式発表という意味です。

※3.「中東とイランの話」って具体的に何のこと?

記事内ではざっくりと「中東とイランの話」としていますが、実際には、

  • イランの核開発問題(国際的な監視体制からの離脱や再稼働への懸念)
  • シリア・イスラエル・レバノンなどを含む中東の緊張

そして、それらに対する米露それぞれの外交的立場。
といった複雑なテーマが含まれています。
「詳細な協議が行われた」とされているのは、これらの一連の問題です。


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